2019/04/04 18:00

今晩は。
皆様はお花見はしましたか?
自分は先日友人たちと花見をしました。東京に住んで初めて満開の桜の下で手作りの料理を持ち合わせてする花見は凄く良いものだなぁとしみじみ感じました。


東京で桜を見ようと思うなら有名どころで「目黒川の桜」などが上がりますが、
有名なだけに人混みも凄くてゆっくりと桜を楽しむなんて感じではなかった記憶ですね。(人混みが得意じゃない)
すっかり春になってこれから桜以外にも咲くたくさんの花を楽しめそうです。


本題に入りまして、今回の内容は
ジュエリーが完成するまでの制作工程についてです。


今やネットを使えばなんでも調べられますが、ネットに出てくるジュエリー制作の工程については趣味でものつくりをされたい方向けに書かれている印象でしたので、SURREALISTEのジュエリーはどのようにして完成しているのか、
自分目線でご紹介しようと思います。



【原型制作】

SURREALISTEのジュエリーはデザインから制作まで一貫して自分一人の手で行っております。
主にロストワックス(蝋燭の素材みたいなもの)という素材を手作業で削って形を作ります。
以前ブログにもあげたこちらがワックス原型と呼ばれるものです。



これをキャスト屋(鋳造して銀にしてくれる業者さん)に出して銀になって返ってきます。
このブログの最初に載せた真っ白な銀の指輪が上がりたての銀です。
上がりたての銀は、表面がザラザラしてたりバリ(角が尖ってる部分)などがあり、これを紙やすりやヤスリを使って綺麗に整えます。





下の写真は、湯道と呼ばれるボコッと出ている部分、銀を流し込んだ跡です。
この湯道は下磨きの段階で綺麗に削り落とすので、初めて湯道を見た方はこんなのが出来上がる前にあるんだ!と新鮮に感じるかと思います。


ちなみに、この湯道の付ける場所は業者さんによって様々で、過去に同業のジュエリー制作者の方がスカルリングのおデコ部分にでっかく湯道がついて綺麗に湯道を削るのが大変だったよってお聞きした事があります。


確かに、スカルリングのおデコにこれがついていたら顔が変形しないように気をつけないといけないですからね。





【下磨き】

一個ずつ丁寧に紙やすりで粗い目から細かい目まで磨いてあげます。
この下磨きの過程はブランドさんによって様々で、鏡面仕上げにするときの仕上がり方が変わってきます。


分かりやすい例だと、下磨きの工程が少ないほど鏡面の仕上がりが鈍くなります。逆に下磨きの工程が多いほど触ると指紋が目立ってしまう程白光りする輝きになります。


ブランドさんの世界観や作り手の好みによって同じ銀を使っているのに仕上がりの違いが出るのは面白いものです。
このことを知っていると、同じ鏡面仕上げでもブランドさんによって雰囲気が違うんだ!ということに気づけて、お客様がシルバーアクセサリーを選ぶ上でブランドさんごとの違いを知れると思います。


SURREALISTEのジュエリーは、艶がありセクシーさを感じる妖艶な雰囲気を意識しているので、
輝きすぎず鈍くなりすぎない鏡面仕上げにしています。


そうすることで滑らかな銀面の曲線が光の反射で美しく際立ってくれます。
下磨きの段階で光の反射する具合などを確認して丁寧に手作業で磨き、
下磨きが完了したら次は燻す工程に入ります。






【燻す工程】

下磨きが完了したら、燻し液に浸けて銀を黒くします。
シルバーアクセサリーの黒い部分はこの燻し作業によって付けられます。
燻し液はお湯に薄めて使うのですが、温泉に含まれる硫黄の成分が含まれているためちょっと腐卵臭が漂います。(温泉の匂いともいえるのだろうか)


燻しにも黒の色味を灰色っろぽくも真っ黒くすることもできます。同じ燻しなのになんで色味が違うんだろ?と思われてた方はこれが理由です。


そして燻しは、着用していくうちに薄くなったり剥げたりします。
その場合は再度燻しを付け直すことが可能なので、ご愛用いただく中で燻しが薄くなったなぁと気になる方はお気軽にご相談下さい。
SURREALISTEのジュエリーは勿論、お手持ちのシルバーアクセサリーも燻し直しから磨き直しまで承っております。


こちらが燻し液に浸けた後の真っ黒になった指輪です。ここから燻しを残す部分と鏡面にする部分を分けて慎重に磨いて行きます。


燻すと銀面が滑らかになったのが分かりやすくなったと思います。
ここから、バフ磨き(布が巻きついた回転工具に研磨剤を付けて磨く)を行います。






【鏡面仕上げ】

バフ磨きで、燻し部分と鏡面にする部分を丁寧に仕上げて美しい輝きが生まれます。
SURREALISTEではバフ磨きに3種類の研磨剤を使っています。(粗め目→中目→細か目という感じ)


正直、中目の研磨剤の時点で鏡面仕上げとしては十分なのですが、ここに一手間さらに細かい研磨剤で磨くと滑らかな輝きを生み出してくれるのです。(作品を手にされた方に伝わってくれてるといいな)


磨き終わった後は隙間や溝に研磨剤が残っているので、超音波洗浄機(メガネ屋や時計屋に行くと見かける汚れ落とす機械彫金バージョン)で綺麗に洗浄し、柔らかい布で拭いてあげて完成です。


余談ですが、自分は一連の作業の中でバフ磨きが一番好きな作業なんです。
自分が一から作ったものが初めて美しい姿となって現れるこの一瞬は、何物にも変えがたいこの仕事ならではの喜びを感じています。(その喜びをすぐお客様に伝えたくなります)


長くなりましたが、数々の工程を得てSURREALISTEの作品は生み出されています。
少しでも作り手の風景が伝わったら幸いです。




SURREALISTEは現在オンラインショップのみでの販売になっております。
実店舗でのお取り扱いはありませんので実物をご覧いただいてご購入いただくことが出来ませんが、その代わりこのように作り手からお客様に直接お伝えできる声を届けたいと思いブログやSNSなどから発信しています。


今回この制作工程について書きながら、1つこのスタイルならではの気づきがありました。


オンラインショップからご購入いただく場合、今回この工程をご覧いただいた通り、綺麗に美しく輝いた100%の状態を直接お届けでき、お客様が一番最初に作品を手にしていただけます。


それでも実物を見ないでご購入するのはまだ戸惑う方はいらっしゃると思います。


だからこそ、自分は限りなくお客様に100%のSURREALISTEの魅力が伝わるための努力を惜しみません。
今までご購入いただいた方々から「写真以上に美しくで感動しました!」とお礼のお声をいただき、その声1つ1つが自分の自信となりお客様に安心してご購入していただける文面やお写真でのやり取り、更にクオリティの高い作品をお届けするための活動の糧となっています。


作り手からお客様に直接100%のSURREALISTEの作品をお届けできる。


お客様にとっても自分にとっても、凄く素敵な長所だと思うんです。


このスタイルで現在活動している中でもっともお客様に喜んでいただけるポイントを生かして小さいブランドながらに少しづつ広めたいと思っています。そうすることで、オンラインショップから安心してご購入頂けるように、手元に届いた喜びを100%以上に感じていただけるように、この光景をご覧いただいてよりブランドのことを知って理解いただきお客様と距離を近く出来たら嬉しいです。


もちろん、今後もしSURREALISTEがお店様にお取り扱いしてもらい、実物を見れる機会が出来た時には、直接SURREALISTEの作品を手に取って魅力を感じて頂けたらと思います。


次回は、SURREALISTEのデザインはどのようにして生まれているのか?を書こうと思います。


今回お写真に載せさせていただいた指輪は、お客様のオーダー品でございます。
早速近日中に発送いたしますのでオーダーいただきましたK様、T様、お楽しみにお待ちくださいませ。

この度はSURREALISTEをご購入くださりありがとうございました。
今回ご紹介した作品はこちらからご注文いただけます。

¥30,240(税込)
¥16,200(税込)

本日はこの辺で失礼します。



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